バス事業には、運賃や安全に関する情報を「公表する」という法令上の義務があります。そして2024年6月、その公表方法に「ウェブサイトへの掲載」が加わりました。「大きな会社だけの話だろう」と思われがちですが、実は除外される条件はかなり限られています。この記事では、何が義務になったのかを、できるだけわかりやすく整理します。
2024年6月、運賃と約款の「ウェブ掲載」が義務になった
2024年6月30日、旅客自動車運送事業運輸規則などの改正が施行されました。これにより、これまで営業所での「掲示」で足りていた情報の一部について、事業者のウェブサイトへの掲載(その他の適切な方法を含む)が求められるようになりました。
貸切バスの場合、ウェブサイトへの掲載が求められる主な情報は、運賃・料金と運送約款です。加えて、それらの変更の予告、事業の休止・廃止の公示、遅延に関する公示なども対象に含まれます。
この義務が「かからない」のは、次のどちらかに当てはまる場合だけ
- 常時使用する従業員の数が20人以下である場合
- 自ら管理するウェブサイトを持っていない場合
ここが多くの方が誤解するポイントです。「21人以上が義務」ではなく、「20人以下は除外」という考え方。つまり、従業員が20人を超える会社のほとんどは対象になります。そして「20人」はバスの定員ではなく、従業員の人数です。ここを取り違えないよう注意してください。
安全に関する情報の公表は「貸切バスは全社」が対象
もう一つ、混同されやすいのが「輸送の安全にかかわる情報の公表」です。これは2024年の改正とは別の、以前からある制度(運輸安全マネジメント)に基づくものです。
こちらは、毎事業年度が終わってから100日以内に、「インターネットの利用その他の適切な方法」で安全に関する情報を公表することを求めています。重要なのは、こちらには従業員数による除外がないという点です。
「大手だけの話」ではありません
貸切バス事業者は、保有する車両の台数に関係なく、この安全情報の公表が求められます。「うちは小さいから関係ない」——その思い込みが、実は一番のリスクなのです。
公表が求められる主な情報
具体的には、次のような情報を公表することが求められます。
輸送の安全にかかわる情報(例)
- 輸送の安全に関する基本的な方針
- 輸送の安全に関する目標と、その達成状況
- 自動車事故報告規則に定める事故に関する統計
守れていないと、どうなるのか
これらは努力目標ではなく、法令上の義務です。違反した場合、50万円以下の過料(道路運送法)に加え、行政処分(警告など)の対象になり得ます。
処分は「公表」されます
行政処分の情報は、国土交通省のサイトで誰でも検索・閲覧できます。つまり、取引先や旅行会社にも見られるということ。罰金そのものより、「信用と仕事を失う」ことのほうが、経営にとっては大きな痛手になりかねません。
何を載せればいいのか(ページの作り方は自由)
ここで安心していただきたいのは、法令が定めているのは「情報」であって、ページの構成や見せ方は自由だということです。「決まった3ページを作らなければならない」といった話ではありません。運賃・約款、安全情報といった必要な情報が、わかる形で掲載されていればよいのです。
とはいえ、訪れた人や監督官庁が見つけやすいように整理しておくことは大切です。専門の制作者であれば、これらの情報を自然な形でサイトに組み込み、後からの更新もしやすい構成にできます。
対応漏れは、意外なところで起きる
最も多いのは、「サイトはずっと前から持っているが、運賃も約款も載せていない」というケースです。法改正があったこと自体を知らなければ、気づきようがありません。だからこそ、一度プロの目でチェックしておく価値があります。
NANAMI Designの場合
NANAMI Designはバス業界に特化しているため、運賃・約款・安全情報といった「バス会社ならではの掲載項目」を、最初から織り込んだ形でサイトを設計します。
すでにサイトをお持ちの会社でも、「いま義務を満たせているか」のご相談から対応できます。法令対応を、難しい言葉ではなく普通の日本語でご説明します。まずは、現状のチェックから無料でご相談ください。


